鬼瓦ってなんだろう鬼瓦と切っても切れない関係の瓦と屋根にクローズアップ。 「屋根と瓦のいい関係」についてご紹介いたします。
Q. 屋根材としての役割は何だろうか?A. 鬼瓦の役割は、棟の両端から雨水が進入するのを防ぐことにあります。 粘土瓦の製造業者は「粘土瓦製造業」に分類されるので、確かに屋根材なのですが、機能的には意匠としての飾りです。Q. なんで『鬼』なんだろう?A. 鬼という言葉を辞書で引いてみると、「天つ神にたいして、地上などの悪神」とあります。 鬼ごっこ、桃太郎の鬼退治・・・、鬼と名のつく言葉をあげても、正体不明の怪物や禍をもたらすといったイメージが強いようです。しかし一方では、神の姿を「人間と違う」という概念でとらえたものが鬼とも考えられています。 例えば、各地の祭りに伴う芸能では鬼の面をかぶった踊がみられますが、 この際鬼は悪霊を追い払う役になっています。代表的な節分の鬼も追われて消えうせるばかりでなく、 病気や災いを防ぎ人を丈夫にしてくれるという信仰があります。 鬼瓦の『鬼』は、後者の神としての意味合いを強く持っています。 昔から日本では屋根の棟端は神聖な霊所としてあがめられてきました。 家内安全・無病息災・災害回避、そういった願いを屋根に託したというシンボルが鬼瓦なのです。 もちろん鬼面だけでなく、鴟尾(しび)や鯱、雲や植物を具象化したものなど、 様々な文様の鬼瓦が作られていますが、何かしらの祈りの意味が込められています。 平安時代から江戸時代まで長く鬼面文が中心であったことから、 現在では屋根の棟端を飾る瓦を総称して鬼瓦と読んでいます。 Q. いつごろから飾り始めたの?A. 鬼瓦の前に、瓦自体についての歴史をご説明します。 瓦は梵語(ぼんご:古代インドの言語サンスクリット)のkapalaが言葉の起源。 日本が発祥の地ではなく、アジアからの伝来品です。「日本書紀」によると、 588年に4人の瓦博士が大陸(中国)より渡来し、飛鳥寺の建立をきっかけに瓦の技術をもたらしたとあります。瓦の形状は、社寺を時代中心に発展していきますから、仏教と瓦は密接な関係にあるといえます。 鬼面文の鬼瓦が広く使用されるようになったのは奈良時代です。 時代を追うごとに、特に装飾面でのさまざまな変化をみせます。 特に室町時代では、浄土宗の地獄の観念の影響もあってか、瓦工による鬼面の装飾技術が競われ、 社寺・城郭から民家に至る屋根芸術の世界へと確立しました。 瓦は、この時代まで特権階級のみの使用に限られた高嶺の花でした。 よって庶民に普及するのは江戸時代に入ってからになります。 江戸の大火以降、幕府が瓦葺屋根を奨励したことや、近江大津(おうみのおおつ)の瓦工、西村半兵衛による安価な桟瓦を開発したことがきっかけです。 鬼瓦を飾るという概念はかなり昔からあったようですが、庶民の住宅に飾られるまでには、瓦伝来から1,000年目以上かかったのです。 Q. 鬼瓦はどうやって作るの?A. もちろん現代では多くの鬼瓦は機械生産されています。しかし細かな細工は未だに職人の手に頼らざるを得ないところが大きいのです。そのなかでも、手作りの鬼面瓦や鯱等の製作に熟達した技能者は「鬼師(おにし)」とか「鬼板師(おにいたし)」と呼ばれ、数々の名品を生み出しています。 参考文献:屋根の知識 日本屋根経済新聞社、高浜市観光案内資料
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